ふたりではたらく

写真・文/塩沢 槙

store, life style

Café Café

2000年7月の結婚、翌8月のカフェ開店から15年目。“ふたりで働くこと”を、美佳さんは「私はいつも心強かった」と話す。「ふたりでいると、意外といろんなことができる」。自分にはできないことでも、相手はできたりして。

堀 利弘さん、美佳さん夫妻 2014年12月15日撮影


利弘さんが珈琲とお料理担当、美佳さんが紅茶とスイーツ担当。その他、店のことが自然と役割分担されたのはきっと夫婦だから。野菜の多くは利弘さんのご両親が無農薬で作っているもの。お米、肉、卵、調味料など、彼らの日々愛用しているものや発見したとても美味しい!お気に入りのものたちを、店で使う食材に取り入れられたのも、ふたりが生活を共にしているから、家族だから。


カフェカフェは、三軒茶屋駅から栄通り商店街をまっすぐ歩いていき、7・8分のところにあります。私はこの店から歩いて2分くらいのところに住んでいたことがあって、このかわいいカフェを知ったのは、毎日駅からの帰り道に前を通っていたからでした。ですが、私は家から近すぎる店にはあまり行かないという昔からの習性があって、住んでいた頃には殆ど入りませんでした。別の町に引っ越してからも、私は三軒茶屋が好きでときどき行きます。そんななかで、入るようになったお店でした。 入ってびっくり、堀さんが作るお菓子も淹れる紅茶もごはんも珈琲も、とっても美味しいのです。それ以来、カフェカフェへ行くことは私のたまの楽しみです。もう近くには住んでいないのだけど。いちごの時期だけのこの「苺のロールケーキ」見てください!見ただけでおいしいってきっとわかるのではないかしら。実際には見た目以上のおいしさです、非常に繊細な味です。

この日、ケーキとの組み合わせを考えて写真には撮りませんでしたが、行くとよく頼んでしまうのが「バナナティー」。紅茶に、輪切りの生のバナナが浮いているんですよ。そのビジュアルも、味も大好きで、迷って最終的にこの紅茶にする、というパターンが多いのです。他では見たことがないお気に入りのメニューです。その他に、キッシュも美味しいし、いろんな味のものがあるマフィンもいつもとってもおいしそう。昨年、香川から友人が来たときは、ここでゆっくりおしゃべりしながらのディナーも楽しみましたが、副菜に至るまでひとつひとつがおいしかった。とても素敵なお店です。

Café Café (カフェカフェ)

東京都世田谷区下馬2-20-5
03-5432-0456
http://www.cafecafe.info/
木曜定休



*今回から、『ふたりではたらく』という連載をやらせていただくことになりました。私は人物ポートレートを撮影するのが大好き。日常生活の中で、自分達の今の姿を、きちんと写真に撮っておく機会というのは案外ありません。写真立てに飾っておきたくなるような、きちんと撮ってもらったけれどかしこまっていない、写真を一枚でも多く撮っていきたいと考えています。

  『ふたりではたらく』は、ひとりでなく、ふたりになると急にできることって増える、そんなふうにして、力を合わせて働く人々の姿を少しでも沢山捉えたく思い、企画しました。カメラと三脚さえあれば、私にとってはどこでも写真館になります。そんな気持ちで、いろいろな方の元をこれからも訪れたいのです。出張写真館も今年は始めたいと計画中です。