内藤真未(Mami Naito)
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1977年生まれ。ファッションWEBサイトの編集に携わる傍ら趣味の料理や器のことをSNSで紹介。料理の他に好きなのは、音楽や本やアート、暮らしを豊かに彩るものすべて。


旅はいつでもできる


「どこでもドア」があったらいいのに! と、子どもの頃はモチロン、大人になった今に至るまで、どれほど思ったかしれません。 その一番の理由は、その名の通り、ドアをくぐるだけでどこへでも行けるから。
旅費や休日の心配をしなくてもいいし、煩わしい移動もナシ。気軽に、ふらっと、思いついたときに、どんなに遠い国でも、訪れるのが困難な場所へも行ける。 まさに夢の道具ですよね。

子どもの頃から、いつもとは違う場所へ行ける旅行が大好きでした。
子どもの頃は親や祖父母に連れられて日本各地を、そして学生や大人になってからは飛行機に乗って世界の国をいくつか訪れました。 一番最近の旅行は、大好きな街、パリ。パリから帰国して程なく、結婚~妊娠~出産と人生の一大転機が押し寄せてきたので、今にして思うと、あのとき無理してでも行っておいて本当によかったと思うのでした。子育てが始まると、旅はおろか、電車圏内のお出かけもままならない時がありますもんね。

でも、以前のように旅行に行けなくなってみて思うのは、実際にその地へ足を運ぶことだけが「旅」ではないんじゃないかということ。
もちろん、その地へ行くから体験できること、見聞きできることは山ほどあります。そこでしか買えないもの、味わえないものもたくさんある。 それを承知のうえで尚そう思うのは、現実に旅することが難しくなってから、それでも旅することが好きな私は、いろいろな方法で〝想像力″を膨らませることを試みているから。本をよんだり、写真を眺めたり、音楽を聞いたり、画集をひらいたり。そして、料理で旅することも。
便利なことに、今は様々な国のスパイスやソースや名産品が気軽に買えるので、いつもと気分を変えてみたくなったときには料理の力を借りて、想像力の羽をぐいんとひろげてみてみるのです。