内藤真未(Mami Naito)
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1977年生まれ。ファッションWEBサイトの編集に携わる傍ら趣味の料理や器のことをSNSで紹介。料理の他に好きなのは、音楽や本やアート、暮らしを豊かに彩るものすべて。


うちに帰ろう


「やっぱりお家が一番ね!」というのは、オズの魔法使いのドロシーが長い旅を終えて家に帰ってきたときのセリフ。
ドロシーのように奇想天外な旅路の後でなくても、わたしたちも毎日の生活のなかで、家に帰ってくると自然とほっとひと息つきますよね。

家に帰り着いてほっとするのはどうしてかというと、その理由は多々さまざまにあるでしょうけれど、
なかでも「いつもの場所で食べる、いつものごはんがある」という要素はすごく大きいのではないでしょうか。

夕方の帰り道、どこからともなくカレーの匂いやお魚を焼く匂い、おだしとお醤油の焚ける匂いなどがフワリと鼻先をかすめると、
他所の家と分かっていても、なんともいえず幸せな気持ちになるから不思議です。
誰かが、大切な誰かのためにごはんを作っているということそのものが、
人の気持ちをこれほどあたためるのかと驚きさえするほど。
ごはんを作っている匂いや情景、そして出来あがって食卓に並んだ料理は、自分を大切にしてくれる人がいるという証。
あるいは一人暮らしの方なら、自分を大切にできている証。

ストックした常備菜をパパっとアレンジするだけのお手軽レシピでも、
家族や自分自身を大切にすることに繋がるなら、こんなに嬉しいことはないと思うのです。